侵襲性カンジダ症と炎症性アルツハイマー
猛暑と台風の気圧変化のせいか調子を崩し気味で、今日は久しぶりに一日ダウンしていました。
前日から新しいカンジダのサプリを試してみたので、その影響(ダイ・オフ)もプラスされていたみたいです。なかなか強力なサプリでした・・・(笑)
最近、対策が甘くなっていたせいもあるとは思うのですが、やっぱりカンジダはしつこいです。
カンジダがいると、真菌血症のリスクが上がったり、癌の予後も悪くなるみたいです。
カンジダが引き起こす重篤な病態
深在性(侵襲性)カンジダ症
免疫が低下している場合、カンジダはかなり恐ろしい病気を引き起こします。
真菌が肺、肝臓、腎臓、脳など、体の深部に入り込んで感染を起こすような状態を深在性真菌症といいます。
おもに骨髄移植・臓器移植を受けた後や、ステロイドや免疫抑制薬を投与されているような、免疫力が低下している患者さんに起こることがある感染症で、診断が遅れた場合は治療がとても難しい病気です。
目で見る真菌症シリーズ 11- 対岸の火事ではない? 深在性真菌症 -
侵襲性カンジダ症では、心臓弁、脳、脾臓(ひぞう)、腎臓、眼などの部位に感染が広がります。
カンジダ血症は重篤な血流の感染症です。
米国では、カンジダが血流感染症の一般的な原因の1つになっています。カンジダ血症の発生リスクは特定の処置により増大します。
例えば、大手術を受けたり、静注ラインまたは点滴チューブ(特に首、胸の上部、鼠径部の太い静脈に挿入する中心静脈カテーテルというチューブ)を使用することでリスクが高まります。
カンジダ血症は、迅速な治療が行われなければ死に至ることがよくあります。
カンジダ等の真菌が脳や肺など、体の深部(体の組織の深部)に侵入して増殖したものが深在性真菌症。
深在性真菌症のうち、カンジダ菌によるものが侵襲性カンジダ症で、
臓器ではなく、血液(血流)中にカンジダ菌が侵入したものがカンジダ血症です。
鵞口瘡など局所性カンジダであっても深在性の可能性がある
入院していない場合でも、乳幼児期や老齢期には免疫力が低下しています。
乳幼児や高齢者に多く発症する鵞口瘡(口中の感染症)もカンジダが原因です。
口腔内の状態が悪いと身体機能や認知機能にも悪い影響があるため、鵞口瘡は高齢者の口腔管理でも問題になっている症状のようです。
丁寧な歯磨きが予防になるそうで、朝は食事前に歯磨きをすることも大切なポイントです。
鵞口瘡も、カンジダが口腔内の組織の深部(皮下組織や粘膜下組織)にまで菌糸を伸ばして侵襲していると、深在性のカンジダ症となります。
深在性になると、カンジダは一度治ったように見えても再発を繰り返します。
これは鵞口瘡以外のカンジダ症でも同じですね。
繰り返し発症するカンジダは、深在性である可能性が高いと言えます。
癌の予後とカンジダ
癌患者が深在性カンジダを発症することもあり、その場合は予後が悪いと言われています。
私には弟がいたのですが、しばらく癌で入院していて、その間に一度手術を受けたことがありました。
癌ではなく心臓の手術です。何か影があるということで、胸を開いて、心膜を全て取りました。
医師からは「細菌が繁殖していた」と説明を受けました。
当時は分からなかったのですが、今から思うと、カンジダやアスペルギルスなどの深在性真菌症だったのだろうと思います。
真菌が心膜にはびこっていたのでしょう。
弟のほか祖母や叔父も癌になっていますし、私も多分、将来は癌になるのだろうと覚悟しています。
カンジダがいるし、恐らく深在性なので、予後は悪いだろうな、などなど・・・
私のカンジダ症状は、どうも幼少期からずっと続いていたようなので、これはもう仕方がありません。
とはいえ、癌予防もできる範囲で心がけています。
癌を発症しなければ、リスクは大きく下がるわけですから。
また、免疫を正常化させることもカンジダや他の感染症を防ぐ上でとても大切です。
多くの酵母および糸状菌が日和見感染症を引き起こす可能性があり,易感染性患者では生命を脅かすこともある。
これらの感染が免疫能正常者に生じることは極めてまれである。
炎症性アルツハイマー
リーキーガットが原因
腸の病気であるリーキーガット症候群が、炎症性のアルツハイマーを引き起こすことがあるそうです。
リーキーガットは、消化不良、食品添加物や農薬による影響などによって起こるそうですが、腸内悪玉菌(カンジダ)の繁殖も原因の一つとされています。
リーキーガットがアレルギーやブレイン・フォグの原因となることは知られてきていると思いますが、アルツハイマーの原因にもなるとは知りませんでした。
カビ類を体に取り込むとアミロイドβが蓄積する
脳の中にアミロイドβという蛋白質がたまっていくことがアルツハイマーの原因になることはよく知られていると思います。
このアミロイドβは、カビや雑菌などが体の中に取り込まれて炎症(感染症)を起こしたときにも作られます。
そしてアミロイドβが蓄積され、アルツハイマーを引き起こすということです。
リーキーガットは脳の炎症を起こしますから、例えカビや雑菌がいなくてもリーキーガットで炎症が起こり、アルツハイマーを誘発することになります。
炎症性アルツハイマーは仮説からほぼ定説へ
炎症や感染症がアルツハイマーの原因の一つであることは定説になってきているようです。
最近,以前から提唱されていたアルツハイマー病の「脳炎症仮説」ならびに「感染症仮説」に新たなエビデンスも加わり,再び注目されるようになってきた.
脳炎症に関与するミクログリアの増殖や生存に必要なコロニー刺激性因子1受容体キナーゼに対する阻害薬がアルツハイマー病モデルマウスにおける学習・記憶障害を予防することが発見され,慢性的脳炎症がアルツハイマー病の進行に伴うものではなくその原因となることを示した.
一方,アルツハイマー病患者の剖検脳においてウイルス,細菌ならびに真菌などの病原性微生物が検出され,Aβが感染に対する自然免疫としての役割を果たしている可能性も示唆されている.
さらに最近,歯周病菌であるジンジバリス菌のリポ多糖類や主要なプロテアーゼであるジンジパインがミクログリアの活性化を介して慢性的脳炎症を誘引し,認知機能障害に関与することが示唆されている.
脳に真菌が入り込んでいると思うと、かなり怖いですね・・・
なお、アストロサイトが分泌するKLK7というたんぱく質が、アミロイドβを減少させることを東京大学の富田教授が発表しています。
KLK7タンパク質を脳内へ注入すると、アミロイドβ量の減少が認められたことから、KLK7の発現もしくは活性の上昇は抗アミロイドβ薬の開発に繋がることが期待されました。
そしてアストロサイトにおけるKLK7発現量増加を引き起こす化合物として、現在認知症治療薬として認可されているメマンチンを同定しました。
メマンチンは神経細胞においては神経伝達物質であるグルタミン酸を受容するNMDA受容体に対する拮抗薬です。―中略―
アストロサイトが脳内アミロイドβ量や蓄積に積極的に関与していることが明らかとなり、神経が失われていくアルツハイマー病脳において残存しているアストロサイトを上手く活用する新しい可能性が提示されました。