haloのブログ

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都立駒込病院感染症科部長の今村顕史医師へのインタビュー

Buzz News のインタビュー記事(3/11午後時点のインタビュー)をご紹介します。

最前線で治療に当たる医師の願い 「医療が崩壊しないようにみんなで協力してほしい」

https://www.buzzfeed.com/jp/naokoiwanaga/covid-19-imamura

都立駒込病院感染症科部長の今村顕史医師へのインタビューです。

都立駒込病院は新型コロナ患者の入院受け入れを行っており*1、ダイヤモンドプリンセス号の患者受け入れも行っていました。
今村医師は政府の専門家会議の構成員です。

でも地方で集中治療をやっている病院は、地域全体の集中治療をまかなっています。そこが一つの感染症で占有されてしまったら、他の医療の質が落ちてしまいます。将来的な医療への圧迫は、総体として考えなければなりません。

駒込病院はがんセンターでもあります。がん患者の治療もしっかり安心して行えることを目的に、この病院は作られました。建物の構造も、どんなことがあってもがん治療を死守できるように、考えて作られています。コロナだけに視野を狭めてはいけません。

ーー命の選別をしなければいけない事態が、日本で起きたらどうしようかと心配になります。

まだ大丈夫です。そこまで行く前に分母を抑えることが必要です。

ただ、今、流行を抑えるために一番重要なキーポイントは、クラスター(感染集団)対策です。これまでわかってきた情報では、多くの人は他者に感染させていません。広まっているところをいかに抑えるかがうまくできれば、この感染症をコントロールできるかもしれない。望みはそこにあります。

相当な数になることはよくあることで、韓国でMERSが流行った時も、一時、濃厚接触者が1万人を超えました。そういう人たちの検査がどれほど必要かを考えると、検査にも優先順位があります。そうでない人を片っ端から検査することは望ましくありません。

病床や人員の対応、感染防御のための物品など、現実的なことを考えると、本当の専門家で、全体像が見えている人は日本全体の不安な人まで検査しようということは言わないです。わかっている人は言わない。


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専門家会議は御用医師の集まりだから信用できない、という人も結構いるようです。

検査をしないから本当の被害は分からないという人も、いまだにいます。
(今の検査数だけでも、統計や今までの経験からのシミュレーションで、国内の感染者数はおおよそ分かります。それが専門家です)

感染症のプロの見解をなぜ信用しないのでしょうか?

今すぐ、イタリアや韓国の事例から学んでほしいと思います。
イタリア、韓国、その他の国は、できるだけ早く、日本型の対策にシフトしてほしいです。

今、命の危険にさらされている人は、新型コロナに感染した人だけではありません。
病院には、がんをはじめ、難病と闘っている患者や医師たちがたくさんいます。
不慮の事故があるかもしれません。

その人たちを守るためにも、医療崩壊だけは起こさないでほしい。

たくさんの人たちが我慢している不便や不満は、自分や家族だけでなく、今、病気や大けがと戦っている人たちを、確実に救います!

このまま日本全体が新型コロナを抑え込んで、日本の医療が機能し続けてくれることを、切に願います。

*1:第一種感染症指定医療機関