【選択が迫られる】4/1 感染症専門者会議 有識者記者会見
患者の選択を迫られたとき、医療者側だけではその判断が難しい。家庭内でどんな治療を選択するか話し合いが必要。
事態はかなり切迫しているようです。
「オーバーシュートが起こる前に医療崩壊が起こる」
「すべての病院で診なくてはならないことが起こり得る。それだけはわれわれは避けたい」
これは、専門者会議で話されたことです。
***4/4追記***
東京都などが宿泊施設をコロナ軽症者対策に利用することを検討しています。これで医療リソースの切迫はある程度改善されると思います。
それでも人工呼吸器などには限りがあります。できるだけ予防して、免疫力を付けるような生活をしていってくださいね。
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すべての病院で、ということは、町の個人病院でも診る、ということですね。
でも、感染症対応の機器やトレーニングを受けた専門家がじゅうぶんとはいえない病院で、どこまで治療ができるでしょうか?
患者の選択が必要になる
見出しに挙げた「患者の選択」というのは、治療をする患者と、治療を諦める患者の選択、ということです。
新型コロナに対応できる医療機器や医師・看護師たちの数が足りなくなったら、治療できる患者の数自体が限られてきます。
そのときに、全員を死なせてしまわないために、治療をする患者を選ばなくてはなりません。
家庭内でどんな治療を選択するか話し合いが必要
もし家族の中から新型コロナの感染者が出てしまった場合、どこまでの治療を受けさせたいのかを話し合ってください。*1
という話がありました。
軽症なら自宅での休養だけで治りますが、もし悪化したらどうするか。
もしかしたら、治療すれば助かるかもしれないけれども、医療リソースが足りなくなったら、その治療自体を諦めなければならない場合が出てくるということです。
そして、新型コロナの場合は、患者さんとは面会することができません。
面会したら、感染がもっと広がってしまうからです。
シビアなことを言いますが、遺言を残すような余裕もなくなると思います。
後悔しないように、後悔しないのは無理でもできるだけ少なくするために、
考えられる限りのことは、家族で話し合っていてほしいと思います。
私もリスクがないとは言えない方なので、感染したときのことを真剣に考えたいと思います。
幸い、私の周囲ではまだ気分的に余裕があります。
冷静に考えられるのは今のうちかもしれないですね。
以下、メモです。
・3/21~3/30 東京都 実行再生産数1.7(推定値)
・海外からの移入感染者の割合は、3/11前後から急激に増加し、3/22、23は4割近い(3/11以前は数%程度だった)。
・オーバーシュート(定義:欧米で見られるように爆発的な患者数の増加。2乃至3日の間に累積患者数が倍増する程度のスピードが継続して見られること。)は見られないものの、都市部を中心にクラスター感染が次々と報告、感染者数が急増。医療供給体制がひっ迫しつつある地域が出てきている。
・オーバーシュートが起こる前に医療崩壊が起こる。
・東京都は3/21以降、2.5日ごとに倍増している。リンクが追えている。継続的に注視していく。
●感染拡大状況の指標
1.新規の確定患者数
2.リンクが不明な新規患者数
3.早期にピックアップできる指標:帰国者接触外来の受診者数、相談センターの相談数、PCRの検査件数と陽性率、実行再生産数
4.地域全体の医療供給体制の評価指標:重傷者数の数、入院者の数、利用可能な病床数とその稼働率や空床の数、利用可能な人工呼吸器数、稼働状況、医療従事者が十分確保されているか
●地域区分の考え方
1.感染拡大警戒地域
・市民の啓発
・期間を明確にした外出自粛要請
・10名以上の集会・イベントを避ける
・家族以外での多人数の会食を避ける
・感染拡大警戒地域では学校の一斉臨時休校も選択肢に含まれる
2.感染確認地域
・三つの密は徹底して避ける
・50名以上のインベント参加を避ける
3.感染未確認地域
・屋外でのスポーツやスポーツ観戦など感染リスクの低い活動は実施可能
(適切な感染症対応を徹底し、リスクを判断して実施)
●学校
・学校については現在の知見では、子どもは地域の感染拡大する役割(主たるドライビングフォース)をほとんど担っていない。
→学校については地域や生活圏ごとの蔓延状況を踏まえて判断
●市民の行動変容が必要
1.「三つの密」を避ける
・特に大きな声を出す、大きな声で歌うことはリスクが高い
・バー・ナイトクラブなど接客を伴う飲食店、カラオケ、ライブハウス、ジムなど(呼気が激しくなるため)の出入りは避ける
・ICTの利活用 携帯端末の位置情報を中心にパーソナルデータを活用しクラスター発生の早期探知ができるか早急に議論を開始したい
2.コロナ疲れ(自粛疲れ)により警戒感のゆるみがある
●課題
・重症者を優先する医療供給体制の徹底
特に東京、神奈川、愛知、大阪、兵庫では医療供給体制が切迫している。今日・明日にでも抜本的な対策が必要。
・軽症者は宿泊施設での宿泊を選択肢に
・医療崩壊に備えた市民との認識共有が必要
●クラスター・サーベイは既にキャパオーバー。かなり疲弊している。
国は全面的にバックアップしていただきたい。
●これからの取り組みについて世界の注目が集まっている。
今までは第一波。何とか持ちこたえることができたが、世界的なパンデミック拡大により、関係各所はさらに厳格な対処が必要。
「法律で義務化されていなくても、社会を構成している一因として、自分、社会を守るために、それぞれが役割を果たしていきましょう」
以上、尾身先生
※医療現場での患者の選択について言及しているのは、40:13頃からです。
【心の備えと情報の備えを】
・自分が感染したらどう行動するのか、どんなルートで受診すればいいのか、そこへ行くとどんな体験をするのかを、いろいろな形でご家族や親しい人たちと話合ってほしい。
・万が一自分が重症化してしまったとき、どんな医療が受けられるのか、受けられないかもしれない医療とは何なのかをタブーなしで話し合ってほしい。