haloのブログ

脳疲労、ブレイン・フォグ、慢性疲労、ADHDなどについて、個人的体験と信頼できると思われる資料を基に書いていきます

体位性頻脈症候群におけるブレイン・フォグ症状の評価

2つ前の記事で参照した文献の抜粋を載せておきます。
文章が読みづらいかもしれません。
全部読むのが面倒でしたら、色の付いた部分と太字の部分だけ読んでみてください。

halokun.hateblo.jp


まず1本目。

「ブレイン・フォグとは何か 体位性頻脈症候群における症状の評価」
Clin Auton Res。2013年12月 23(6):305-311。
What is brain fog? An evaluation of the symptom in postural tachycardia syndrome


こちらは姿勢性頻拍症候群(POTS)患者のブレイン・フォグ症状を、POTSを持つ138人の被験者*1によるアンケートと精神疲労スコア(WMFI)の回答*2から評価・考察した研究です。

ブレイン・フォグの自覚症状や、改善・悪化の要因が書かれていました。
この文献の対象はPOTSという病気を持つ患者さんたちですが、症状やその改善策は、ブレイン・フォグを持つ人たちに広く参考になるのではないかな、と思います。

ブレイン・フォグの症状として多いもの

POTS患者の青少年の間で認知障害は愁訴のトップに挙げられ、患者からは一般的に「ブレイン・フォグ」と呼ばれています。
しかし、「ブレイン・フォグ」という用語は不正確であり、現在までこの症状の原因は不明です。

(被験者138人のうち)132人の被験者がブレイン・フォグを報告しました。
WMFIスコアは、ブレイン・フォグの頻度および重症度と相関しました(P <0.001)。
ブレイン・フォグ症状の上位に挙がった項目は、「忘れやすい」、「ぼんやりする」、「集中して考えること、コミュニケーションが難しい」などです。
最も多く報告されたブレイン・フォグのトリガーは、身体疲労(91%)、睡眠不足(90%)、長時間の立位(87%)、脱水(86%)、くらくらする(feeling faint)(85%)でした。

回答された自覚症状は、次の表にまとめられています。
「忘れやすい」「思考・集中が困難」「コミュ二ケーションの困難」「精神的疲労」などが多く挙げられています。

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「What is brain fog? An evaluation of the symptom in postural tachycardia syndrome」Table 3

ブレイン・フォグの改善要因と悪化要因

次のものがブレイン・フォグを改善するのに役立つと被験者から報告されています。
・横になる(81%)、
・熱を避ける(68%)、
・水分を多く摂取する(66%)、
・5分以内に少なくとも16オンス(約480ml)の水を急速摂取する(63%)、
・塩分量の高い食事を取る(60%)

また、次のものがブレイン・フォグを悪化させると被験者から報告されています。
・シャワー(61%)
・運動(56%)
・歩行(47%)
・カフェイン飲料の摂取(33%)

ブレイン・フォグは認知に関わる愁訴

被験者の回答から、この研究では、次のように結論付けています。
(1)ブレイン・フォグは精神的疲労に類似した一般的な認知愁訴である
(2)ブレイン・フォグのトリガーおよびモジュレーターが多いことがわかった
(3)POTSにおいて典型的には推奨されないものを含む、POTSにおけるブレイン・フォグ改善に有効であり得る多くの治療ターゲットが存在する

良い睡眠と有酸素運動がブレイン・フォグを改善するかもしれない

また、良質な睡眠と規則的な有酸素運動がブレイン・フォグを改善させ得ると考察されています。

睡眠効率がPOTS患者の認知にどのように影響するかは不明であるが、睡眠の質はPOTSのブレイン・フォグの主要な原因であると推測できる。

急性運動はブレイン・フォグを悪化させると報告されましたが、興味深いことに、規則的な有酸素運動はブレイン・フォグを改善すると報告されています。
(中略)
理由は不明ですが、定期的な有酸素運動は、POTSを持つ青年の他の症状の中で認知を改善する可能性があります。

www.ncbi.nlm.nih.gov

*1:女性88%、14歳から29歳までの青年層

*2:主観的な愁訴