haloのブログ

脳疲労、ブレイン・フォグ、慢性疲労、ADHDなどについて、個人的体験と信頼できると思われる資料を基に書いていきます

ブレイン・フォグの定義はまだ定まっていないらしい

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以前にも書きましたが、ブレイン・フォグの定義がよく分からなかったので、探ってみました。

フリーアクセス文献に見られるブレイン・フォグの内容

PubMedとmedlineplusでざっと検索した限りでは、まだブレイン・フォグの定義はしっかり定まっていないようです(多分・・・)。
ですが、「ブレイン・フォグ」という言葉の認識自体は広がっている感触があります。

患者が訴える症状の中に、頭に霧がかかっている感覚があったり、軽度の認知障害があるような場合に、ブレイン・フォグとされているようです。

さらに、うつ病をはじめとして睡眠不全、集中することの困難、記憶保持の困難等の症状が付随するという部分も、幾つかの論文で共通性があります。

要するに、ブレイン・フォグは疲労や集中力の低下を伴った認知障害であると言えそうです。

こうした症状からは、ブレイン・フォグの症状は、脳疲労という日本語の持つイメージよりも重いもの、という印象を受けます。


中には「ブレイン・フォグ症状のためQOL(生活の質)が低下する」という記載もあったのですが、個人的には、生活というレベルではなく、人生そのものの質と内容が低下する、とはっきり言ってもらいたいところです・・・。
とはいえ、症状の度合いや期間によるのでしょうね。

ベースとなる疾患はさまざま

今回、参考にした文献の基礎疾患は慢性疲労症候群、筋萎縮性脳脊髄炎、体位性頻脈症候群*1、シェーグレン症候群*2などでした。
この病気を持つ患者さんに、ブレイン・フォグを訴える人が多いということです。

このうち、慢性疲労症候群、筋萎縮性脳脊髄炎は 全身労作不耐性疾患と共に代替病名であるとされています。
これらは同じ病気と考えられているようです。


その他にも、ブレイン・フォグのベースとなる病気には、今までよく言われていたセリアック病、自閉症スペクトラム障害線維筋痛症などの他に、クローン病*3、肥満細胞症*4アルツハイマー病(早期)も挙げられていました。

ブレイン・フォグに悩まされている人や、その可能性がある人は、思っていたより多いのかもしれません。

ブレイン・フォグの原因とされるもの

ブレイン・フォグの原因は、腸の炎症のほか、薬や、薬同士の相互作用による可能性が考えられています。
また、脳血流の低下や、脂肪細胞から分泌されるアディポサイトカイン(生理活性物質)やヒスタミンによる脳の炎症の可能性も指摘されています。

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頭をマッサージして血流促進するといいかも。

また、短腸症候群*5によるD型乳酸アシドーシスが原因でブレイン・フォグが起こると記載された論文もありました。

D型乳酸アシドーシスは中枢神経に影響を与えること(意識障害など)が知られており、生命の危険がある重い病態です。

糖尿病、肝不全、腎不全、悪性腫瘍で全身症状のある人、アルコール中毒患者やビグアナイド薬*6を内服中の人で消化器症状がある場合にも乳酸アシドーシス(代謝性アシドーシス)を起こすことがあるそうです。


クローン病やセリアック病は、消化器の疾患です。
やはり消化器の炎症や疾患がブレイン・フォグ発症の重要なキーワードになるのだろうと思われます。

参照文献

今回、主に参考にさせてもらった文献をリンクしておきます。
(近日中に抜粋した和訳を載せたいなと思っています)

https://www.sjogrens.org/files/brochures/brain_fog.pdf


www.ncbi.nlm.nih.gov
 
www.ncbi.nlm.nih.gov

www.ncbi.nlm.nih.gov


halokun.hateblo.jp

*1:規律不耐症のひとつ。姿勢性頻脈症候群と記載していたものを体位性頻脈症候群に修正しました。

*2:自己免疫疾患。原因は不明とされています。

*3:慢性の炎症や潰瘍が起こる炎症性腸疾患の一つ。消化管全体に発症の可能性がある。

*4:皮膚または他の組織・器官へ肥満細胞(マスト細胞)が浸潤する病気。そう痒,紅潮,胃酸過剰分泌による消化不良などの症状を起こす。

*5:病気などのために小腸を広範囲切除した場合に見られる水分や栄養素の吸収不良による症候群

*6:糖尿病の薬で、現在使われているのはメトホルミン塩酸塩とブホルミン塩酸塩。http://dmic.ncgm.go.jp/general/infomation/110/info_10.html