haloのブログ

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カンジダについての誤解・間違い その2

日和見菌悪玉菌
日和見菌と悪玉菌

2 カンジダは性病(性感染症)?

カンジダの感染経路

カンジダを性病(性感染症)というのはちょっと語弊があるのではないかな、と感じます。

 そもそもカンジダの感染経路は、性行為に限りません。
 自然界に広く存在している菌ですから、人の体液のみから感染するものでもありません。

 カンジダ症を発症するのは、自分が元々持っているカンジダ菌が異常繁殖してしまったケースが多いのです。

 なぜカンジダ菌を持ってしまったかというと、それは生まれた直後から幼児期の間に、何らかのきっかけでカンジダ菌に触れて感染したためです。

 常在菌は、人が生まれた直後から様々な菌を取り込んで種類を増やしていき、乳幼児期に安定します。

 なお、赤ちゃんにとって無菌状態はあまり良いこととはいえません。

 常在菌の構成によって、アレルギー、消化器疾患、自己免疫疾患、がん、精神疾患などの、特定の疾患にかかりやすくなるようです。
 病気の原因が常在菌の構成にあるのかどうかまでは分かっていませんが、ある菌種を補完した結果、病状が改善したケースもあります。

 危険な感染症を避けることは当然ですが、乳幼児期には安全な範囲で多くの物や人に触れて、さまざまな菌を体の中に取り込むことが、健康に成長するためには必要だと思われます。

カンジダの症状もさまざま

 カンジダの症状は、皮膚カンジダ症、口腔カンジダ症、口角炎など、さまざまです。
 重篤になると、真菌血症や、深在性真菌症(内臓や全身性の真菌症)といった恐ろしい病気にも・・・。

 カンジダは、免疫力さえ正常なら何ということもない菌なのですが、体が弱ると、これだけの悪さをしでかす菌なのです。 

 前回も書いていますが、決して性器カンジダ症だけがカンジダの症状ではないのです。

健康ならカンジダが繁殖することはない

 それに、健康な状態なら、他人のカンジダ菌に感染しても、それが異常繁殖してカンジダ症を発症することは、まずありません。

 なぜなら、人間の常在菌には恒常性があるからです。

 人間の皮膚や腸内には様々な常在菌がさまざまな細菌が棲みついています。
 その細菌の種類や、菌種の割合は、人それぞれで指紋のように異なり、また、体の部位によっても違いがあります。

 一度安定した常在菌は、その菌の種類や割合を維持しようとします。
 外から他の菌が進入しても、元の常在菌の状態に戻ろうとするのです。
 この常在菌の働きが、感染症などの病気を防いでくれると考えられています。

 食事や薬などの影響で常在菌の構成が変わることもありますが、健康な成人なら、一時的に常在菌の構成が変化しても、次第に元の状態に戻ります。

 ですから、常在菌の中にカンジダ菌を持っている人でも、健康なら、その常在菌の中に占めるカンジダ菌の割合が変化することはありません。
 このために、健康であればカンジダ菌が異常に繁殖することがなく、カンジダ症状も発症しないというわけです。

健康ならカンジダがいても問題なし

 カンジダが常在菌の中にいるからといって、すぐに発症するわけではありません。
 危険なのは、免疫力が落ちたときです。

 免疫力が正常なら、カンジダ菌は何の悪さもしないのです。

 普段は大人しくしているため、悪玉菌というわけでもありません。
 こうした菌を、日和見菌といいます。

 カンジダ菌をはじめ、嫌気性連鎖球菌や緑膿菌、バクテロイデス菌*1などが日和見菌の仲間です。

余談ですが・・・

 腸内フローラ(腸内常在菌)も他の部位の常在菌と同じで、元の構成に戻ろうとします。

 例えば、今流行のやせ菌ダイエットってありますよね。

 やせ菌サプリを飲んでやせた人も多いと思いますが、やせ菌サプリをやめてしばらくすると、だんだんやせ菌がいなくなって、元の腸内フローラに戻っていきます。

 その結果、体重も元に戻ってしまい、またやせ菌サプリを飲むか、別のダイエットを始めるか・・・という状況になる可能性がとても高いのです。

 現実って厳しい・・・"(-""-)"


*1:バクテロイデスの1種は、海藻の食物繊維を分解する酵素を作り出します